「まってる。」
作・絵:デヴィッド カリ, セルジュ ブロック
訳:小山 薫堂(こやまくんどう)
合計点:13.14(2023年8月現在)
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出版社:千倉書房 1,650円
ISBN9784805108680
「まってる。」の注目ポイント
- ヨーロッパ各国で、絵本としては異例の売り上げを記録
- 「くまモン」の生みの親でもある放送作家の小山薫堂が翻訳
- 横に細長い絵本
「まってる。」はこんな人にオススメ
- 大事な人にプレゼントしたい絵本。
- 「言葉」を大切にしたい人におすすめ。
- フランス語を勉強したい人におすすめ。
「まってる。」のあらすじ
【本文引用】”お兄ちゃん”と呼ばれる日を待ってる。
おやすみのキスを待ってる。
ママのケーキが焼けるのを待ってる。
雨が止むのを待ってる。
クリスマスを待ってる。
運命が繋がる日を待ってる。
映画の始まりを待ってる。
彼女との再会を待ってる。
元気に戻ってくる日を待ってる。
戦争が終わるのを待ってる。
彼女からの手紙を待ってる。
「いいよ」っていう返事を待ってる。
僕たちの赤ちゃんを待ってる。
男の子かな?女の子かな?待ってる。
ぼくの帰りを子供達が待ってる。
楽しい週末を待ってる。
仲直りのきっかけを待ってる。
子供たちの声を待ってる。
「心配ないですよ」という一言を待ってる。
「さようなら。ありがとう」って言わなきゃいけない日を・・・
また春が来るのを待ってる。
誰かのノックを待ってる。
子供たちの報告を待ってる。
新しい家族を待ってる。
【本文引用ここまで】
小さな男の子が戦争を経験し、大切な人と出会い、そして別れ、また新しい出会いを待っている。
一人の男の子の成長が「待っている」という短い言葉でうまく表現されている絵本です。
シンプルな線画に赤い糸を上手く使って、一つの物語を紡いでいます。
自分の人生と少し重ねるもよし、いろんな待ってるがあるんだねって子供と話してもよし、幅広い年齢の方が 楽しめる1冊になっていると思います。
日本語と一緒にフランス語でも書かれているので、フランスの勉強にも役立つかもしれません。
プレゼントにすると喜ばれる絵本です。
監修者(絵本アドバイザーいぶき)「まってる。」の見どころ解説
この絵本を読んで、私が待っているものはなんだろう?と考えました。夕飯のカレーの匂い、雨上がりの草の香り、娘が楽しそうに話す声、まだ見たことのない景色、猫のおはようのあいさつ。
そんな日常に埋もれてしまいそうな、特別じゃない何かを待ちながら、私たちは日々生活をしているのかもしれませんね。
この絵本はフランス語も書いてあるのですが、面白いのが、心が大きく動くシチュエーションのページにだけ、フランス語で「j’attends(待ってる)」 とあり、それ以外のとりとめもない日常にはこの言葉はついていないところです。
それを、放送作家の小山薫堂さんが、どの言葉にも「待ってる」という言葉を添えることで、一つのリズムが生まれて、より心にスッと入ってくるように構成されているのが、素晴らしいなと個人的には思います。
あなたが待っているものはなんですか?そして、その待っているものが、実現するといいですね。