「あおいろペンギン」
作・ 絵・ペトル・ホラチェック
訳・青山南
合計点:9.6(2022年5月現在)
ehonnavi
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出版社:化学同人 2,090円
ISBN9784759821444
「あおいろペンギン」の注目ポイント
- チェコの画家ベトル・ホラチェックの作品
- 絵の具とコラージュの美しい氷の世界
- 多様性、友情がテーマの絵本
「あおいろペンギン」はこんな人にオススメ
- みんなと違うって変なこと?と疑問に感じている人。
- 友情の大切さを学びたい人。
- 一人ぼっちで孤独を感じている人。
「あおいろペンギン」のあらすじ
【本文引用】 遠い遠い南極に青色のペンギンが生まれました。青色のペンギンなんて見たことありません。
「本当にペンギン?』他のペンギンたちは聞きました。
「だと思うけど」青色のペンギンは答えました。
青色ペンギンは、他のペンギンがすることは全部しました。
飛び込んだり、潜ったりは得意ではありませんでしたが、
でも、いつも大きな魚を捕まえてきました。
「言ったでしょ、僕はペンギンだって」
青色ペンギンは言いました。
「だけど私たちとは色が違うね」そういうと他のペンギンたちは離れて行きました。
青色ペンギンは一人ぼっちになりました。
昼は寂しいばかり。
夜は夢を見るばかり。
よく見る夢の一つがありました。
美しい白い鯨がやってきて一人ぼっちの寂しいところから助けてくれるのです。
青色ペンギンは白い鯨の歌を作り、毎朝、海に向かって歌いました。
その歌に、ある日チビのペンギンが気がつきました
毎日少しずつ近づいては聴いていました。
そしてある日、青色ペンギンに話しかけました。
「あなたのその歌、教えて」
青色ペンギンは毎日少しずつチビのペンギンに教えました。一緒に歌ったり遊んだり、すっかり友達になりました。
ある夜、青色ペンギンはチビのペンギンに言いました。
「そろそろ新しい歌を歌おう、教えてあげるから」
青色ペンギンの新しい歌はそれはそれは素敵でしたから歌が終わるとみんなが集まって言いました。
「それとてもいい歌だ」「私たちも歌いたい」
「そうしよう」青色ペンギンが言いました。
「さあ輪になってよ。教えてあげる」ところが、みんなが歌おうとした時です。
大きな白い鯨が現れました。
「私を読んだのは誰だ?」白い鯨がいいます。
「私を呼ぶ歌が聞こえたのでやってきた」
青色ペンギンは、答えました。「僕だよ、呼んだのは。夢で観たんでお願いしたんだ、ここは寂しいからぼくをどこかに連れてって、と」チビのペンギンは悲しそうです。
「行かないでよ」と言います。「友達になったのに」
「行かないでほしい」他のペンギンも言いました。「謝るよ、一人ぼっちにしたことを。君は私たちの友達。同じペンギンだよ。」青色ペンギンは白い鯨の方をみて言いました。
「来てくれてありがとう。でも、君が聞いた歌は、昔の歌、今は新しい歌を歌っているんだ、ここがいいので」
白い鯨はにっこり笑うと何も言わず、ゆっくりと向きを変えて水平線の向こうへ消えて行きました。
青色ペンギンはみんなの方をみて言いました。
「じゃあ、新しいうたを歌おう、友達の歌を」
【本文ここまで】
まずこの作品を手に取ると、絵具とコラージュで描かれた美しい氷の世界が画面いっぱいに広がっています。 そんな寒い氷の世界で感じる青色ペンギンの孤独感、自分と異物ななものを受け入れることができない、他のペンギンたち。 そんな状況を好奇心で打破するちびペンギンなど、それぞれの心情の変化がよく描かれている作品です。 多様性が叫ばれている現代だからこそ、手に取って読んで欲しいそんな作品です。
監修者(絵本アドバイザーいぶき)「あおいろペンギン」の見どころ解説
みんなと色が違うという理由で一人ぼっっちになってしまった、青色ペンギンのお話。私た人間も油断すると、人をカテゴライズして、「この人は自分と違う人」というラベルをつけて交流を避けてしまうってことありますよね?
ちびのペンギンのように偏見の目を持たず、フラットな目線で人と向き合える、そんな人でありたいなとこの絵本を読んで感じました。
また、自分が青色ペンギンなら?他のペンギンなら?ちびペンギンなグッと深まることでしょう。