もうじきたべられるぼく | 作:はせがわゆうじ | 絵本のあらすじを紹介| 命の大切さを感じる1冊

「もうじきたべられるぼく」

作:はせがわゆうじ

合計点:4.07(2024年9月現在)
ehonnavi  3.5
amazon  4.4
楽天books 4.3

出版社:中央公論新社1,540円
ISBN9784120055591

「もうじきたべられるぼく」の注目ポイント

  • TikTokで300万回再生され待望の書式化
  • いただきますの意味を考えさせられる絵本
  • 様々な解釈のできる余白のある絵本

「もうじきたべられるぼく」はこんな人にオススメ

  • 子供に食べるということを教えたい人。
  • ほっこりした優しい気持ちになりたい人。
  • 食育について考えたい人。

「もうじきたべられるぼく」のあらすじ

↓ここから本文引用
僕は牛だからもうじき食べられるのだそうだ
最後に一目だけお母さんに会いに行くことにした
僕は小さい頃今の牧場にもらわれて来たんだけど
お母さんのことはよく覚えている
とっても大きくて優しかった
僕も大きくなったらお母さんびっくりするかな
思えば毎日牧場で太れ太れと言われて
いっぱい牧草を食べさせられて
こんなになっちゃったんだ
脂身多いと思うけど…
太った牛の方が高く売れるんだって
一度でいいからスリムになって
馬のように草原をのびのびと
走り回ってみたかったな
動物園のぞうやキリンみたいに
みんなに愛されてみたかったな
同じ動物なのに
誰にも知られずにやたらと太って
食べられるのか…
空が綺麗だ
僕の生まれた牧場だ
懐かしいな
何も変わってないや
この隙間からよく脱走したっけ
あの頃と同じ風
同じ匂い…
お母さんだ!
幸せそうだな…
あんなところにもうじき食べられる僕が現れたら
お母さん悲しむかな
悲しませるために来たんじゃないや…
さようならお母さん
僕は牛だからもうじき食べられるのだそうだ
せめて僕を食べた人が
自分の命を大切にしてくれたら
いいな

↑ここまで
他者を羨みながら自分の運命を受け入れること
親と子の愛情
命の尊さ、大切さなどを感じる絵本です。

監修者(絵本アドバイザーいぶき)「もうじきたべられるぼく」の見どころ解説

10年以上前に絵本アプリの「PIBO(ピーボ)」で公開されていた電子絵本をTikTokに読み聞かせとして第三者の人が投稿して それが話題になり300万回も再生され、それがきっかけで書籍化されたと聞いて、こうゆう広がり方もあるんだな(2024年9月現在)と 感心してしまいました。
お話は、どこに焦点を置いて読むかで色々な思いを持つことができる、余白のある作品だなと感じました。。
だからこそ、多くの人の心に響いたのではないかと。
食べられるという運命を素直に受け入れる僕に潔さを感じる人、疑問に感じる人、
最後にお母さんに会いたいという親子愛を感じる人(自分に気づいていないと思ってたお母さんが、電車を追いかける言葉のない8ページ は、うるっとしてしまいました)食育に最適だと感じる人、命をいただいて生きているのだから、自分の命も大切にしないといけないと 感じる人。色々な感想をそれぞれ持つのではないでしょうか?
いぶきは最後の「せめて僕を食べた人が自分の命を大切にしてくれたらいいな」という一文がグッと心にきました。
電子書籍の時は、「うまれかわったら また ちょうちょさんと あそびたいな」だったそう。
作者のはせがわゆうじさんが、あまりストレートに言うのは…と思い曖昧に終わらせていたラストのシーンだったけれど 日本の若年層の自死に関して思うことがあって、あの言葉に変えられたと聞いて、思わず納得してしまいました。
この絵本は、単純に「牛がかわいそう」とか「命を大切に」とかそうゆう単純なものではなくて 私たちは否応なしに食物連鎖から逃れられない存在であり、それをそれぞれの立場でどう感じるか?
他の人はどう思うのか?意見を否定し合うわけでなく、耳を傾けていきたいという願いがあるように思います。

「もうじきたべられるぼく」が書籍化されるきっかけになった読み聞かせ動画

今すぐ「もうじきたべられるぼく」を読む

いぶきのプロフィール
絵本紹介士

絵本は心の処方箋。あなたの心にも幸せが息吹きますように。絵本紹介士の【いぶき】です。子供の頃、母親にたくさんの絵本を読んでもらい、絵本を好きになり、自分の娘にたくさんの絵本を読んであげることで、絵本への理解が深まりました。
年間100冊以上の絵本を読むなかで、大人にこそ読んで欲しい絵本が多くあることに気づき、少しでもたくさんの人に知ってもらいたいとの思いでサイトを、スタートしました。
大人になってから心理学を学び始め、認定心理士を取得しました。その学びがこのサイトにも役立てばいいなと思っています。
誰かの心が「ふっと」軽くなるような、そんなお手伝いができたら嬉しいです。

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